青チャートの使い方と進め方|書店員8年が「例題だけで終わらせる」現実的ルートを整理

青チャート(数研出版『チャート式 基礎からの数学』)は、チャート式シリーズ(白・黄・青・赤)の中で問題数が最も多く、基礎から入試標準までを1冊でカバーできる定番書です。一方で数IA・IIB・IIICを合わせると総問題数は約3000題にのぼり、全問を解こうとすると時間が足りなくなります(各種受験メディア・数研出版の構成情報/2026年6月閲覧)。

「青チャートを買ったのに終わらない」――書店の参考書フロアで8年働いた間、数学参考書でいちばん多く受けた相談がこれです。私は岡田と申します。年間2,000冊以上の参考書を手に取り、買っていく受験生・保護者の様子を見てきました。その経験から断言できるのは、青チャートは「全部やる本」ではなく「例題で型を入れる本」だということです。この記事では、終わらせるための現実的な進め方と、そもそも青チャートが自分に合うかの見極めまで整理します。

この記事の要点
  • 青チャートは約3000題。全問を解く本ではなく、まず「例題」を回す本。例題だけで入試標準レベルは十分狙える。
  • 終わらない人の共通点は1問に時間をかけすぎ・復習を丁寧にやりすぎ。短期で何周もが基本。
  • 進め方は例題→解けない問題に印→印だけ周回→Exercise/章末は志望校次第
  • 注意点:青チャートは万人向けではありません。教科書が固まっていないなら白・黄チャートが先。1冊で合格を保証する本はありません。


目次

青チャートの構成とレベルをまず把握する

使い方を間違える人の多くは、構成を理解しないまま頭から解き始めています。青チャートは大きく次の要素でできています。

要素位置づけ最初にやるか
基本例題教科書の例題〜入試基礎◎ 最優先
演習例題・重要例題入試標準レベル◯ 基本の次
Exercise(練習)例題の確認・反復△ 余力・苦手単元のみ
章末問題初見では難しい応用△ 志望校レベル次第

青チャートは白・黄・青・赤の中で問題数が最も多いバージョンです。だからこそ「全部やる」前提で構えると終わりません。まずは基本例題と演習・重要例題=例題パートを本体と考えてください。数学全体の参考書の位置づけは大学受験数学のおすすめ参考書でも整理しています。


青チャートが「終わらない人」と「終わる人」の分岐

フロアで相談を受けて見えた、終わる人と終わらない人の差は、能力ではなく進め方の設計でした。

終わらない人の3パターン

  1. 1問に時間をかけすぎる:解けない問題を10分・20分粘ってしまう。青チャートは「考える本」ではなく「型を覚える本」なので、数分で解法を見て覚える方が速いです。
  2. 復習を丁寧にやりすぎる:ノートに全部書き写すなど、作業に時間を奪われる。
  3. 全問・Exercise・章末まで一律にやろうとする:約3000題を平等に扱えば、当然終わりません。

終わる人の進め方

終わる人は、例題に絞り、解けた/解けないで仕分け、解けないものだけ短期で周回しています。やることを減らして回転数を上げる、これが青チャートの正しい負荷のかけ方です。


例題だけで終わらせる進め方(4ステップ)

「例題のみ」で入試標準レベルは十分に固められます。具体的な手順です。

ステップ1:例題を解き、3段階で印をつける

1問ごとに「◯(自力で解けた)/△(方針は出たが詰まった)/×(手が出ない)」を例題の番号横に書きます。×と△は数分で解答を読み、解法を理解して次へ。

ステップ2:×と△だけを周回する

2周目以降は◯を飛ばし、×と△だけを解き直します。優先順位は「一度も解けていない問題>何度かやって解けた問題>最初から解けた問題」。これで周回時間が一気に短くなります。

ステップ3:短期間で何周もする

1周を丁寧にやるより、粗くても短期で3〜4周するほうが定着します。復習タイミングの考え方はエビングハウスの忘却曲線と復習の間隔も参考にしてください。

ステップ4:Exercise・章末は志望校で取捨

例題が一通り◯になってから、苦手単元のExerciseや、志望校レベルに応じて章末問題へ。難関大でなければ章末を全部やる必要はありません。問題集の使い分けは問題集と参考書の使い分けにまとめています。


そもそも青チャートが合う人・合わない人

販売現場でいちばん伝えたかったのは、青チャートは万人向けではないということです。レベルが合わない本を買うと、終わらないどころか数学が嫌いになります。

状態向いているチャート
教科書の基本がまだ不安白チャート(基礎重視)から
教科書はわかるが入試問題は手が出ない黄チャート or 青チャート
入試標準を1冊で固めたい・難関大志望青チャート
青チャートが簡単に感じる最難関志望赤チャートや上位問題集へ

「みんなが使っているから青チャート」で選ぶのが、終わらない最大の原因です。自分の今の学力に合うかを基準にしてください。参考書全般の選び方は失敗しない参考書の選び方で詳しく解説しています。


FAQ:よくある質問

Q1. 青チャートは例題だけでいいですか?

A. 多くの受験生にとっては、まず例題(基本・演習・重要)を仕上げるだけで入試標準レベルは十分狙えます。Exercise・章末は余力や志望校レベルに応じて追加する位置づけです。

Q2. 青チャートは何周すればいいですか?

A. 周数より「×と△が◯になったか」が基準です。目安としては短期間で3〜4周。1周を丁寧にやるより、粗く何周もするほうが定着します。

Q3. 青チャートはどれくらいで終わりますか?

A. 範囲と現状の学力で大きく変わります。例題に絞り、解けない問題だけ周回する設計にすれば、頭から全問解くより大幅に短縮できます。期間が足りないほど「やる問題を絞る」ことが重要です。

Q4. 青チャートだけで合格できますか?

A. 1冊で合格を保証する参考書はありません。青チャートは入試標準までの土台で、志望校によっては過去問演習や上位の問題集が必要です。過去問の使い方は当サイトの過去問の進め方も参考にしてください。

Q5. 青チャートが難しすぎると感じます。

A. 教科書レベルが固まっていない可能性があります。その場合は白チャートや教科書傍用問題集に戻るほうが結果的に近道です。背伸びした1冊より、いま解ける1冊を仕上げてください。


まとめ

青チャートは「全部やる本」ではなく「例題で型を入れる本」です。

  • 構成を把握し、まず例題(基本・演習・重要)を本体と考える
  • 1問に時間をかけすぎず、◯△×で仕分けて×△だけを短期周回
  • Exercise・章末は志望校レベルで取捨する
  • そもそも自分のレベルに青が合うかを先に見極める(合わなければ白・黄へ)

「終わらない」のは能力ではなく設計の問題です。やる問題を絞って回転数を上げる――これが書店フロアで終わった受験生に共通していた進め方でした。


本記事は、岡田 拓也(元大手書店員8年・参考書フロア担当)の経験と、数研出版の参考書構成情報・各種受験メディアの公開情報(2026年6月閲覧)を突き合わせた一般的な情報の整理です。学習効果や到達レベルには個人差があり、特定の参考書の使用が合格を保証するものではありません。版・問題数・価格は改訂で変わることがあります。最新情報は出版社・各書店の公式情報でご確認ください。

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この記事を書いた人

大学院生の Okada です。地方の公立高校から難関国立大学に合格した経験と、学習塾講師としての経験を活かして参考書情報を発信しています。あなたの志望校・現在の実力に合った参考書を見つけるためのガイドとして活用してください。

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