高校受験の参考書ルート|5教科を進める順番

高校受験の参考書ルート

高校受験の参考書ルートは「基礎→中1・2の総復習→入試頻出の演習→過去問」の4段階で組みます。英語と数学は中3の夏休みまでに総復習を終え、秋からは志望校の過去問を軸に、間違えた単元だけ手持ちの参考書へ戻すのが基本の流れです。

この記事でわかること

  • 5教科を4段階に並べた参考書ルートの早見表
  • 英語・数学・国語・理科・社会の進める順番と1冊の役割
  • 中3の夏・秋から始める人のルートの縮め方
  • 公立と私立で違う過去問のそろえ方

公的情報源: 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編」(参照)/東京都教育委員会「令和8年東京都立高等学校入学者選抜学力検査結果に関する調査について」(参照)

この記事の要点

  • ルートは1冊ずつ仕上げて次へ進むのが前提
  • 英語・数学は積み上げ型なので早く始める
  • 理科・社会は一問一答で用語を先に固める
  • 過去問は公立は県単位・私立は学校単位でそろえる

目次

高校受験の参考書ルートの考え方

参考書ルートは、市販の参考書を「レベル順・役割順」に並べて1冊ずつ仕上げる学習計画です。何を買うかより、どの順番で、いつまでに終えるかを先に決めます。

武田塾の運営会社の発表では、参考書ルートは「全ての市販の参考書の中から、レベル別、到達度に合わせて必要な参考書をピックアップし、やるべき順番を決めて表にしたもの」と説明されています(株式会社A.ver 2025年2月20日発表)。

考え方そのものは、中学生でも自分で組めます。高校入試は中学3年間の範囲から出るので、大学受験よりも段階がはっきりしているからです。

4段階で考える

高校受験の参考書ルートは4段階

  • 1冊ずつ仕上げてから次の段階へ。段階を飛ばすと、③④で手が止まります。
  • ①基礎教科書レベルを理解する。苦手な学年・単元だけでよい
  • ②総復習中1・中2の範囲を1冊で通す。英語・数学は夏休みまでが目安
  • ③入試頻出でる順の単語帳・一問一答・分野別の入試問題
  • ④過去問志望校の形式と時間で解き、間違いを①〜③の本に戻す

④で見つかった穴は、新しい本でなく①〜③の本の該当ページで埋めます。

図:高校受験の参考書ルートは「基礎→総復習→入試頻出→過去問」の順に1冊ずつ仕上げる

段階ごとの役割は次のとおりです。

  • ①基礎:教科書レベルの理解。苦手な学年や単元だけで構いません
  • ②総復習:中1・中2の範囲を1冊で通し、抜けている所を見つけます
  • ③入試頻出:でる順の単語帳、一問一答、分野別の入試問題で量をこなします
  • ④過去問:志望校と同じ形式・時間で解き、間違いを①〜③に戻します

学校のワークは、①の役割を十分に果たします。市販の本を買い足す前に、まず学校のワークを2周できているかを確かめましょう。

次の段階へ進む目安

次の本に移るかどうかは、ページを最後までめくったかでは決めません。目安は次の3点です。

  • 2周目で8割以上を自力で解ける
  • 例題を見て、解き方を口で説明できる
  • ×が付いた問題を、3日後に解き直して正解できる

この3点がそろわないうちに次の本へ進むと、③④で同じ所につまずきます。1冊を仕上げる回数の考え方は、復習のやり方も参考にしてください。

5教科の参考書ルート早見表

5教科は、同じ4段階でも中身が違います。英語と数学は②に時間がかかり、理科と社会は③の用語暗記が中心です。

5教科×4段階の参考書ルート
教科①基礎②総復習③入試頻出④過去問
英語学年別の文法書中1・2の文法単語帳・長文音声つきで時間を計る
数学学年別の基礎書計算・関数・図形分野別の入試問題大問ごとの時間配分
国語漢字・語彙読解の解き方古文・作文記述の書き方を確認
理科用語の一問一答4分野のまとめ実験・計算問題苦手分野を特定
社会用語の一問一答地理・歴史・公民資料の読み取り苦手分野を特定

表の各マスに入れる本は、1マス1冊が基本です。同じマスに2冊を並べると、どちらも途中で止まりやすくなります。

各段階で使える本の例(出版社の公式情報で確認)
  • ①基礎:Gakken「中1英語をひとつひとつわかりやすく。改訂版」など学年別のシリーズ。見開きの左が解説、右が書き込み式の練習問題で、1回分は2ページです(学研出版サイト)
  • ②総復習:文理「完全攻略【高校入試】」シリーズ。「中1・2の総復習」と「3年間の総仕上げ」があり、B5判で全10点です(文理 ラインナップ)
  • ③英単語:旺文社「高校入試 でる順ターゲット 中学英単語1800 五訂版」。2026年2月26日の刊行で、1800語を5つのレベルに分けています(旺文社)
  • ③理科・社会の用語:文理「完全攻略高校入試 一問一答 マイスター」(中学理科・中学社会の2点)。赤シートで用語を確かめる一問一答です(学研ホールディングス発表)
  • ④公立の過去問:英俊社「公立高校入試対策シリーズ(赤本)」。最新5年分の入試過去問を収録しています(英俊社)

本を選ぶときの基準は、参考書の選び方で詳しく書いています。

英語と数学の参考書ルート

英語と数学は、前の学年の内容がわからないと先に進めない教科です。中3の夏休みが終わるまでに、中1・中2の範囲を固めることを目標にします。

英語は単語と文法を並行して進める

英語は「単語・文法→長文→英作文・リスニング」の順に組みます。単語は毎日、文法は1冊を通して、の2本を並行させるのが基本です。

単語の量の目安は、学習指導要領が示しています。小学校で学ぶ600〜700語に加えて、中学校では1,600〜1,800語程度の新しい語を扱います(文部科学省 解説 外国語編)。

英語の単語は「でる順」で段を区切る

  • 中学で新しく習う語は1,600〜1,800語程度(学習指導要領)。でる順の単語帳はこの量にほぼ重なる
    • LEVEL 1〜2でる順1〜800位。中3の夏までに先に固める
    • LEVEL 3801〜1100位。長文演習と並行して進める
    • LEVEL 4〜51101〜1800位。過去問で出た語から優先する

図:『高校入試 でる順ターゲット 中学英単語1800』の5レベルを、ルートの時期に割り当てた例

でる順の単語帳は、LEVEL 1が「でる順1-400位」、LEVEL 5が「でる順1501-1800位」と区切られています。全部を同じ重さで覚えるより、上のレベルから先に固める方が入試の得点につながりやすいです。

版にも気をつけましょう。五訂版では、紙面に音声再生用の二次元コードと「日本語さくいん」が加わりました。中古で前の版を買うときは、この違いを知ったうえで選んでください。

文法は、学年別の基礎書で苦手な学年だけを戻り、②の総復習で中1・中2を通します。長文は、文法の総復習が終わってから入る方が読み違いは減るはずです。

数学は計算→関数→図形の順に固める

数学は、計算の正確さがすべての単元の土台になります。正負の数・文字式・方程式の計算を最初に固め、次に関数、最後に図形の順で進めます。

学年別の基礎書のほかに、3年分を1冊で引ける本も便利です。Gakken「中学数学の解き方をひとつひとつわかりやすく。改訂版」は中1〜中3が対象で、巻末に「用語さくいん」と「キーワードさくいん」が付いています(学研出版サイト)。

この種の本は、頭から順に解くより「わからない問題を調べて戻る」使い方が向いています。②総復習の本で×が付いた単元を、ここで引き直す流れです。

  • 計算:毎日10問など量を決めて続ける
  • 関数:グラフと式を行き来する問題を重点的に
  • 図形:証明は書き方の型を覚えてから演習へ

③の段階では、分野別に入試問題を集めた問題集で「関数だけ」「図形だけ」と分けて解くと、苦手が見えやすくなります。

国語・理科・社会の参考書ルート

国語・理科・社会は、英語・数学より短い期間で伸ばしやすい教科です。理科と社会は一問一答で用語を固めてから、まとめの本と入試形式の問題へ進みます。

国語は漢字・語彙を毎日、読解は1冊を通す

国語は「漢字・語彙→読解の解き方→古文→作文」の順に組みます。漢字と語彙は1日10分ほど毎日続けてください。読解は、解き方が書かれた本を1冊通すのが基本です。

読解の本は、答えだけでなく「どこに根拠があるか」を示している解説を選ぶと、過去問の復習にも使えます。古文は、歴史的仮名遣いと主語の補い方から始めると、読める文章が少しずつ増えるでしょう。

作文・小論文がある都道府県では、③の段階で書く練習を始めます。字数と条件を守って書く型を、過去問の題で練習するのが近道です。

理科は4分野を用語→計算の順に

理科は、物理・化学・生物・地学の4分野に分かれます。まず一問一答で用語を固め、次に実験の手順と計算問題に進むのが順番です。

用語の段階で使える本として、文理「完全攻略高校入試 一問一答 マイスター」の中学理科(144ページ)があります。「最頻出」「頻出」の印が付いているので、印の多い所から覚えると効率的です。

計算問題は、密度・電流・圧力など式を使う単元に集中します。式を覚えたら、入試問題で数値の入った形に慣れておきましょう。

社会は地理・歴史・公民を用語→資料の順に

社会は、地理・歴史・公民の3分野です。用語を一問一答で覚え、次に地図・グラフ・年表などの資料を読む問題へ進みます。

同じシリーズの中学社会(164ページ)は、入試によく出る図版・資料を整理したページ付きです。歴史は用語だけでなく、出来事の順番を問う問題が多いので、年表で流れを確かめながら覚えます。

公民は中3の授業で習う範囲が多く、②の総復習に入れにくい分野です。授業の進み方に合わせて、③の一問一答を後から足していきます。

始める時期別のルートの縮め方

始める時期が遅いほど、①の基礎を苦手単元だけに絞り、②の総復習と④の過去問を前に出します。時間が足りないときに削るのは①で、④は削りません。

始める時期でルートの縮め方が変わる

  • 遅く始めるほど①を苦手単元に絞り、②と④を前に出します。
  • 中1・中2①を学年ごとに定期テストの範囲に合わせて基礎書を1冊ずつ
  • 中3 4〜8月②総復習を1周英語・数学を優先。理社は一問一答を毎日少し
  • 中3 9〜12月③と④を並行過去問で穴を見つけ、②③の本に戻る
  • 中3 1月〜新しい本は買わない手持ちの本の×印と過去問の解き直しだけにする

図:始める時期ごとに、4段階のどこに時間を使うかを変える

中3の夏から始める場合

夏休みの間に、英語と数学の②総復習を1周させます。理科・社会は一問一答を毎日少しずつ進め、9月以降に過去問へ入れるようにしてください。

この時期は、新しい本を何冊も買うより、②の本を2周する方が9月以降に効いてきます。

中3の秋から始める場合

10月から始める場合は、②と④を同時に進めます。先に志望校の過去問を1年分だけ解き、点が取れなかった分野だけ②の本で戻るやり方です。

全範囲を順番に戻る時間はないので、過去問で×が付いた単元を優先します。

中3の1月以降

この時期は、新しい参考書を買わないのが原則です。手持ちの本の×印と、過去問の解き直しだけに時間を使いましょう。理由は受験直前に新しい問題集を買わない理由で詳しく書いています。

公立と私立で変わる過去問の使い方

過去問のそろえ方は、公立と私立で別です。公立は都道府県ごとの問題なので県別の過去問集を、私立は学校ごとの過去問集を使います。

公立と私立で過去問の集め方が違う

公立高校
問題
都道府県ごとの問題(東京都なら都立共通問題)
主な本
県別の過去問集(英俊社の赤本は最新5年分)
演習を増やす
他県の同じ分野の問題を『全国高校入試問題正解』で解く
私立高校
問題
学校ごとに出題形式も難しさも違う
主な本
学校別の過去問集(英俊社の高校別入試対策シリーズなど)
先にやること
説明会や学校の公式サイトで入試科目と形式を確かめる

図:公立は県単位、私立は学校単位で過去問をそろえる

公立は県別の過去問集で5年分

公立高校の過去問は、県別にまとめた過去問集が出ています。英俊社の赤本は「最新5年分の入試過去問を収録」としていて、取り外して使える別冊解答用紙付きです。リスニング音声は、英俊社サイトの専用ページで再生できます。

5年分を解き終えて演習が足りないときは、他の都道府県の問題を使ってください。旺文社「全国高校入試問題正解」は、47都道府県の公立高校入試問題と、全国の主要な国立・私立高校・高専の問題を英語・数学・国語・理科・社会の5冊に収めています(旺文社 2025年6月26日発表)。自分の県で苦手な分野だけを、他県の問題で追加練習できます。

教科ごとの平均点から時間の配分を考える

公立入試の結果は、都道府県が公表している場合もあるでしょう。東京都教育委員会は、都立高校の学力検査について教科別の平均点や正答率をまとめた調査を毎年公表しています。

都立高校 学力検査の教科別平均点(100点満点)
教科令和8年度令和7年度
国語74.9点75.0点
数学60.4点60.4点
英語61.2点63.7点
社会59.9点59.9点
理科66.7点59.2点

出所:東京都教育委員会「令和8年東京都立高等学校入学者選抜学力検査結果に関する調査について」(2026年6月25日発表・令和8年2月21日実施分)

令和8年度は、国語と社会の平均点に15点の差がありました。理科は1年で7.5点上がりました。教科によって取りやすさが違い、同じ教科でも年によって変わるということです。

このため、過去問の点数は1年分で判断しないようにします。3年分以上の平均で、教科ごとの取れている点と取れていない点を比べると、残りの時間をどの教科に回すかが決めやすくなります。

私立は学校別の過去問を古い年から

私立高校は、学校ごとに出題の形式も難しさもばらばらです。英俊社には学校ごとの過去問集「高校別入試対策シリーズ」があります。

解く順番は、古い年度からがおすすめです。一番新しい年度は、入試直前の仕上げ用に残しておきます。過去問の進め方全般は過去問の勉強法も参考にしてください。

ルートが途中で崩れる原因と立て直し方

参考書ルートが止まる原因は、たいてい本の選び方ではなく進め方にあります。よくある崩れ方と、立て直し方を並べます。

  • 評判を聞くたびに本を買い足す
  • 1周目から完璧を目指して1冊に何か月もかける
  • ×の付いた問題を解き直さない
  • 学校のワークと市販の本で同じ範囲を二重にやる

立て直すときは、まず手持ちの本を早見表のマスに当てはめてみてください。1つのマスに2冊以上あれば、どちらか1冊に絞りましょう。

1周目は8割の理解で先へ進み、2周目で×だけを解き直す方が、全体は早く終わります。解き直しの間隔は、忘却曲線と復習のタイミングを見てください。

模試の結果をルートに戻す方法は、模試の復習のやり方で手順にしています。

よくある質問

高校受験の参考書ルートで、よく聞かれる疑問をまとめました。

Q1:塾のルート表がなくても、自分でルートを組めますか?

組めます。この記事の早見表のように、5教科を4段階に分けて各マスに1冊ずつ入れれば、ルート表の形になります。迷ったら、学校のワークを①に入れ、②の総復習の本だけを買い足すところから始めてください。

Q2:学校のワークだけでは足りませんか?

①の基礎はワークで足ります。足りなくなりやすいのは、中1・中2の範囲を通して見直す②と、入試形式に慣れる④です。ワークを2周できたら、②の総復習の本を1冊足しましょう。

Q3:塾に通っていても参考書ルートは必要ですか?

塾の教材が②〜④を受け持っているなら、市販の本を増やす必要はありません。塾の教材で×が付いた単元を、①の基礎書で戻る使い方がおすすめです。同じ範囲を塾と市販の本で二重にやらないようにします。

Q4:1冊を何周すればいいですか?

回数より「次の段階へ進む目安」を満たしたかで決めます。2周目で8割以上を自力で解け、×を3日後に解き直して正解できれば、次の本へ進んで大丈夫です。予定には2〜3周ぶんの時間を入れておくと、計画が崩れにくくなります。

Q5:中古の参考書でルートをそろえてもいいですか?

使えますが、版と年度を確かめてください。単語帳は版によって音声の聞き方やさくいんが違い、過去問集は「何年受験用」かで収録年度が変わります。書き込みのある本は、解き直しに使いにくい点にも注意が必要です。

まとめ

  • ルートは基礎→総復習→入試頻出→過去問の4段階
  • 5教科とも1マス1冊で、仕上げてから次へ進む
  • 英語・数学は中3の夏休みまでに総復習を終える
  • 理科・社会は一問一答で用語を固めてから資料・計算へ
  • 遅く始めたら①を削り、②と④を前に出す
  • 過去問は公立は県別5年分、私立は学校別で古い年から

ルートを組んだら、あとは毎日の量を決めて進めるだけです。まずは手持ちの本を早見表のマスに当てはめ、空いているマスを1つずつ埋めていきましょう。

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免責事項

※本記事は高校受験の参考書ルートに関する一般的な整理です。掲載書籍の版・価格・内容は改訂されることがあり、合格を保証するものではありません。入試の科目・日程・形式は都道府県や学校ごとに異なるため、最新の情報は各教育委員会・志望校・出版社の公式情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

大学院で教育学を研究しているOkadaです。地方の公立高校から国立大学に進み、大学2年からは学習塾で英語と現代文を3年間教えてきました。自分の受験期に使い比べた参考書は100冊を超えます。

高校3年の春、「みんなが使っているから」という理由で買った文法書が自分のレベルに合わず、3か月をほぼ無駄にした経験があります。あのときの悔しさが、このサイトの出発点です。塾で生徒を見ていても、参考書には明確な相性があると何度も感じてきました。

「ネクステとVintage」「青チャートと黄チャート」のような比較を、教育学の視点と、生徒を指導してきた実感の両方から解説します。レベルや目的、科目ごとに最短ルートを示すので、参考書選びで迷っている人ほど役立てられるはずです。志望校が遠い人ほど、本選びの精度が結果を決めます。

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